ゴムの成型は「金型」を用いて行います。
作り方は“たい焼き”と似ていて、
金型にゴム材料を仕込み、熱と圧力をかけながら成型します。
金型はマシニングセンタと呼ばれる工作機械で製作されます。
金属のブロックを切削することで金型が完成します。
ドリルで金属の表面を削っていくのですが、
その際に削り跡がどうしても残ってしまいます。
削り跡が金型の表面に残ったまま、ゴム成型を行うと、
ゴム製品に反映されてしまいます。
外観部品として使用される場合、ゴム製品に
削り跡がついてしまうと、あまり見た目が良くありません。
そういった現象は、金型を表面処理することによって解決できます。
主な金型の表面処理
弊社で成型している、「キーボードカバー」を例に、
表面処理をご紹介いたします。
キーボードカバーは“透明度”と“汚れにくさ”が求められます。
製品裏面の金型は「メッキによる鏡面仕上げ」。
製品表面の金型は「ブラストによるシボ加工」を施しています。
「鏡面仕上げ」はゴム製品の透明度をあげることができ、
「シボ加工」は表面がサラサラとした手触りになり、ホコリが付着しづらくなります。
表面処理あり・なしでの違い
金型の表面処理を行う前と後で、製品にどれほど違いがあるのか検証してみました。
表面処理を行う前はゴム製品に金型の削り跡がついてしまい、
線傷が無数にあることが確認できます。
一方表面処理をした後は、線傷が無くなっています。
比べてみるとこのように大きな差があります。
今回はゴム金型の表面処理に関してご紹介いたしました。
鏡面仕上げやシボ加工以外にも、様々な表面処理があり、
ゴム製品の印象や機能性を変えることができます。